年 頭 の 挨 拶



    大川商工会議所


    会頭 津 村 洋一郎
 明けましておめでとうございます。会員の皆様にはお健やかに新年をお迎えのことと謹んでお慶び申し上げます。

 平素は当商工会議所の事業運営に対しまして、格別のご購買を賜り、衷心より感謝申し上げます。
 さて、今日の日本経済は、一昨年十一月の第二次安倍政権の発足により、大規模な金融緩和、拡張的な財政政策、民間投資を呼び起こす成長戦略の、いわゆるアベノミクス三本の矢の効果により、行き過ぎた円高が是正され、十五年続いたデフレマインドから脱却し、各種経済指標が示す通り大きな成果を挙げながら上向いてきております。
 しかし、それは都市部と一部の大企業での話であって、我々地方の中小企業がその成果を実感するのはもう少し先になろうかと思っています。
 消費税も昨年四月に五パーセントから八パーセントにあがり、増税前の駆け込み需要の反動で九月頃までその影響が続いた業態もあったようですが、何とかここにきて落ち着きを見せてきております。
 しかし、円安に伴う原材料の高騰が地域経済を支える中小零細企業を直撃している事が今後の課題であります。
 そのような矢先、道半ばであるアベノミクスを進めるのか止めるのか、安倍政権の二年間の真意を問うアベノミクス解散が行われました。
 結果は、自民党・公明党の政権与党が三分の二以上の議席を維持し、その後の特別国会にて第三次安倍内閣が発足致しました。閣僚のほぼ全員を留任させ、補正予算や来年度予算の編成作業など、景気対策を最優先に進められて行くようです。
 地方を活性化させる地方創生と数々の経済対策などを期待したいものです。
 このような中、今大川がやらなければならないことは、元気で活力ある大川を取り戻すことにあります。
 そこで、当会議所が昨年より取り組んできている事、これから取り組んでいく事について、いくつかお話したいと思います。





=産業振興について=
 四百八十年の歴史と伝統を誇る日本一の家具産地・大川の現状に目を向けると、木工関連事業所や生産額は大きく減少するとともに、人口減少と少子高齢化が急速に進んでおり、元気で活力のある大川を取り戻すことは容易ではありません。
 長い歴史の中で、大川発展の原動力となってきた基幹産業の改善と再興こそが、何よりも先決事項ではないかと思っています。
 当会議所では、大川市より、大川インテリア産業振興強化事業に対し補助を受け「大川地場産業成長戦略委員会」更には「木らくな故郷(さと)」プロジェクトを組織し、@人が集う、賑わい広場づくり、A木工産業を情報発信するステージ作り、B後継者の育成と私の工房づくり、C技術の承継とイノベーションの四つの柱を掲げ、今、大川に必要なもの、今、できる事を模索し、日本一の家具産地大川再興のための調査研究を行ってきました。
早速、木工業の後継者を育成するために、福岡県工業技術センターインテリア研究所のご協力を頂き、「大川木工職人道場」(仮称)を今年春の開校を目途に進めてまいります。
 次に「大川家具」というブランドを登録するよう推進してまいります。
 地域資源の持つ潜在力を最大限に高め、国際的に通用するブランドへと高めていくための最大の武器となるのが地域団体商標であると言われています。この地域団体商標が昨年八月より、我々商工会議所も登録できるようになりました。
国内の約八十パーセントの家具販売店で取り扱われている大川家具であるからこそ、メイドイン大川のブランドは不可欠であると思っています。
 海外製品におされ苦戦をしているからこそ、安全・安心・高品質の、大川家具のイメージアップを図るため、地域団体商標の登録を行う事と致しました。
今後、その認定作業等についての協議を重ねてまいりますので、関係各位のご協力をお願い申し上げます。

=中心市街地活性化について=
 日本一の家具産地に相応しい中心市街地を形成するため、大川市内の中心商店街地域と国際医療福祉大学との関係強化を図り、商店街への集客を高め、活性化させるための方策を打ち出すため、国からの補助金(地域内資金循環等新事業開発検討事業)を頂き、調査事業を行っております。
 今後とも、行政・産業界・商店街とも協議を重ねるとともに、先に述べました「木らくな故郷(さと)」プロジェクトの意見も取り入れながら、より実現性の高い中心市街地活性化を推進してまいりたいと思います。

=観光開発事業の推進について=
 筑後川昇開橋、古賀政男記念館、風浪宮、柳川藩・久留米藩の藩境による伝統的建造物が点在する小保榎津地区の街並み等々の観光資源のPR並びに、大川の食と家具・建具工房とのコラボレーション、更に筑後地域五市二町の商工会議所・商工会で組織している筑後七国商工連合会を通しての、広域的な観光ルートの開発、併せてソフトバンクホークスファーム球場建設に伴っての、地域を超えた新たな観光資源の開発等々、産業観光・広域観光ネットワークの構築などの調査研究を行っていきます。

=大川商工会議所女性会立ち上げについて=
 安倍内閣では、女性の力の活用や社会参画の促進が日本の強い経済を取り戻すために不可欠との認識に基づき、全ての女性が生き方に自信と誇りを持ち、輝けるような国づくりを目指した、ウーマン(女性)とエコノミクス(経済)を組み合わせた「ウーマノミクス」が注目されています。
 「活力と華のある大川」を目指すためにも、女性の力添えは欠かすことはできないことから、今年は大川商工会議所女性会の立ち上げを検討していきます。

=草の根技術協力事業について=
 日本国の国際協力活動である、開発途上国の経済及び社会開発もしくは復興又は経済の安定に寄与する活動の一助として、経済産業省の草の根技術協力事業(地域活性化特別枠)にて、独立行政法人 国際協力機構(ジャイカ)の協力も得て、森林国ラオスに対し平成二十八年度まで、木材加工技能向上を図るための人材育成事業を行うよう、現在ラオス政府と調整を行っており、計画がまとまり次第大川木材事業協同組合等の協力を得ながら、支援事業を行っていきます。

=道路網等に関する要望活動について= 
 有明沿岸主要幹線道路網の早期整備促進については国土交通省九州整備局へ、筑後川堤防道路の整備促進については地元自治体及び地元選出の国会議員等へ、新幹線筑後船小屋駅停車本数の増便については九州旅客鉄道株式会社へ、それぞれ九州中部商工連合会・福岡県商工会議所連合会・筑後川堤防道路整備促進期成会・筑後七国商工連合会と一体となって、早期実現に向け要望を行っていきます。

=金融面その他について=
 中小企業の資金繰りの円滑化と経営の安定化を図るため、日本政策金融公庫をはじめ、地元金融機関と連携を図り、国・県・市の制度資金の周知と斡旋業務を行っていきます。
 その他、経営革新認定取得のための支援、税務・労務対策・各種共済事業など、商工会議所として当然行わなければならない数々の経営改善普及事業も行っていきます。

=会館駐車場の舗装整備について=
 平成二十年十一月に旧福岡県久留米保健福祉環境事務所三潴支所跡地を当所駐車場用地として購入して以来、早六年が経過いたしました。その間、当所へお越しになるお客様は勿論のこと、お隣の大川産業会館で行われています各種展示会、更には大川市文化センター、あるいは中央公園グランドで行われています講演事業やスポーツ行事・イベントなどの駐車場としても多く利用され、利用者から大変喜ばれているところです。しかしながら購入から現在まで未舗装のままで使用してまいりましたことから、雨の日は大きな水たまりができ、特に梅雨時にもなりますと、まるで水田のように様変わりし、乾いた時には砂埃を立てている状況でございます。このようなことから、皆様に気持ち良くご利用いただくためにも、舗装整備の検討を行っていきます。

 大川商工会議所は、これらを基本方針として明確に掲げ、「行動する地域総合経済団体」として邁進して参ります。
 国・県・市を始め、関係団体との連携を密にし、変革の時代に適応するため、全力を傾注していく所存でございます。
最後になりましたが、関係団体並びに会員の皆様におかれましては、二千十五年を実りある年とすべく、一層の奮起と活躍、そしてチャレンジをお願い致しますとともに、ご家族の皆様共々のご健康とご多幸を心から祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。





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